「ゲドを読む」を読む
ジブリがアニメ化した「ゲド戦記」のDVDが7月に販売になるそうです。その告知キャンペーンとして書店でひっそりと(多分)展開されているのが「ゲドを読む」というフリーペーパーの配布。フリーペーパーといいつつ、厚さはちょっとした単行本くらいあり、思わず店員さんに「これ、無料でいただけるんですよね?」と確認してしまいました。
ジブリの「ゲド戦記」と言えば、原作者のル=グヴィンに「宮崎駿が映画化するというから許可したのだ」とネットで言われたり、原作に思い入れのあった方々からの散々な批判、宮崎駿と吾郎氏の確執など、ネガティブな印象が先行して、結局映画はまだ観ていません。
ジブリの映画なら、もっと子供向けというか、子供から大人まで楽しめます的なキャンペーンをDVDの発売でもしそうなものですが、このフリーペーパーは活字だらけです。中身は、これまでに何らかの媒体で掲載された「ゲド戦記」の解説やアニメ化に際して各界の著名人が「ゲド戦記」に対する思い入れを綴ったテキストを集約したものになっています。
もともと「ゲド戦記」は同じファンタジーでも「ハリポタ」や「指輪物語」とは作品世界の趣がことなり、どちらかというと主題には自己との葛藤、男性性と女性性に関わる話や、老成に関するテーマが盛り込まれており、いわゆる知識人の方々からの支持を得ていたわけですが、このキャンペーンはDVD発売に際して、興行的には失敗しつつも、こうした知識階級に対しての働きかけを狙っているように思えます。ジブリの「ゲド戦記」はエンターテインメントではなく、「ゲド戦記」の持つ世界観とメッセージを宮崎吾郎流に解釈しているのですよと。こうすることで映画での興行的な失敗とおそらくDVDでも興行的に失敗してしまうことに対して防御線を張っているのではないでしょうか。
「ゲドを読む」には「ゲド戦記」シリーズを通じての翻訳者の方のテキストも収録されていますが、印象的だったのは、ジブリが「ゲド戦記」を作品化するにあたって、翻訳者の方に協力を依頼(原作からあまりにかけ離れて作品世界を壊してしまわないように)したが、翻訳者の方はそれを断ったということ。ジブリ側からすると原作の翻訳者を製作側に巻き込むことで原作ファンの方へのエクスキューズとする意向もあったのかもしれません。翻訳者の方が依頼を断ったのは、原文を翻訳した段階で、原作者のメッセージに対してフィルタリングをかけているから、映画化に際してさらに翻訳者の考え(多かれ少なかれ反映されてしまいますよね)をさらにフィルタリングしてしまうのは面白くないから、ということ。一方で吾郎氏には、自分のセンスで物語を再構築してみていいんですよ、という許可を与えている。好きなようにやりなさい、と。それをDVDの発売に際してこうしたエクスキューズを事前に流布してるのは創作者としていかがなものかと思います。
信じるか信じないかはあなた次第です。
ジブリの「ゲド戦記」と言えば、原作者のル=グヴィンに「宮崎駿が映画化するというから許可したのだ」とネットで言われたり、原作に思い入れのあった方々からの散々な批判、宮崎駿と吾郎氏の確執など、ネガティブな印象が先行して、結局映画はまだ観ていません。
ジブリの映画なら、もっと子供向けというか、子供から大人まで楽しめます的なキャンペーンをDVDの発売でもしそうなものですが、このフリーペーパーは活字だらけです。中身は、これまでに何らかの媒体で掲載された「ゲド戦記」の解説やアニメ化に際して各界の著名人が「ゲド戦記」に対する思い入れを綴ったテキストを集約したものになっています。
もともと「ゲド戦記」は同じファンタジーでも「ハリポタ」や「指輪物語」とは作品世界の趣がことなり、どちらかというと主題には自己との葛藤、男性性と女性性に関わる話や、老成に関するテーマが盛り込まれており、いわゆる知識人の方々からの支持を得ていたわけですが、このキャンペーンはDVD発売に際して、興行的には失敗しつつも、こうした知識階級に対しての働きかけを狙っているように思えます。ジブリの「ゲド戦記」はエンターテインメントではなく、「ゲド戦記」の持つ世界観とメッセージを宮崎吾郎流に解釈しているのですよと。こうすることで映画での興行的な失敗とおそらくDVDでも興行的に失敗してしまうことに対して防御線を張っているのではないでしょうか。
「ゲドを読む」には「ゲド戦記」シリーズを通じての翻訳者の方のテキストも収録されていますが、印象的だったのは、ジブリが「ゲド戦記」を作品化するにあたって、翻訳者の方に協力を依頼(原作からあまりにかけ離れて作品世界を壊してしまわないように)したが、翻訳者の方はそれを断ったということ。ジブリ側からすると原作の翻訳者を製作側に巻き込むことで原作ファンの方へのエクスキューズとする意向もあったのかもしれません。翻訳者の方が依頼を断ったのは、原文を翻訳した段階で、原作者のメッセージに対してフィルタリングをかけているから、映画化に際してさらに翻訳者の考え(多かれ少なかれ反映されてしまいますよね)をさらにフィルタリングしてしまうのは面白くないから、ということ。一方で吾郎氏には、自分のセンスで物語を再構築してみていいんですよ、という許可を与えている。好きなようにやりなさい、と。それをDVDの発売に際してこうしたエクスキューズを事前に流布してるのは創作者としていかがなものかと思います。
信じるか信じないかはあなた次第です。
コクピットイズム03
コクピットイズム。航空関係書籍でおなじみのイカロス出版です。飛行機に限らず。世にある乗り物のコクピット≒運転席に萌える男子のための雑誌。
表紙&巻頭特集の「スペースシャトル最終便」に萌えるね。スペースシャトルミッションは2010年で終了するのだとか。最後のミッションは国際宇宙ステーションの建設。再利用可能な宇宙船の実現が可能であることを証明することに一役かったスペースシャトル、NASAの今後の方向性はどうなるのかな。
この特集号には、ブルーインパルスの特集も掲載されてました。これまた萌える。
表紙&巻頭特集の「スペースシャトル最終便」に萌えるね。スペースシャトルミッションは2010年で終了するのだとか。最後のミッションは国際宇宙ステーションの建設。再利用可能な宇宙船の実現が可能であることを証明することに一役かったスペースシャトル、NASAの今後の方向性はどうなるのかな。
この特集号には、ブルーインパルスの特集も掲載されてました。これまた萌える。
![]() | コクピットイズム03 (2007/02/27) イカロス出版 この商品の詳細を見る |
あたらしい教科書 広告
「あたらしい教科書 広告」を読んだ。
広告業界のことなど、スピリッツでやっている(た?)「きまぐれコンセプト」程度の知識しかなかったですが、cramtoyの職場である汐留には天下の電通が入っていることもあり、汐留近辺の書店ではのきなみ、広告・メディア関係の書籍が幅を利かせています。
「あたらしい教科書」シリーズでは、コンピュータとか面白い試みだな、と思ってましたが実際に購入したのはそんなわけで広告の巻となりました。広告の仕組みも、広告の業界で働く人たちの仕事ってのもよくわからんしね。
ちょっと前に伊東 美咲が広告代理店で働くドラマがありましたが・・・あんなストーリー仕立てでクリエイティブなプレゼンって・・・広告業界だからできるプレゼンなのかなあ。
広告の世界でも、クリエイティブには金を出すが、製作管理(フィー)には金を出さない、というクライアントが主流らしい。そもそもフィーとコストという概念は広告業界のものなのかもしれないですね。フィーとコスト、SI業界でもまっとうな料金として請求していかねばなりません。
広告業界のことなど、スピリッツでやっている(た?)「きまぐれコンセプト」程度の知識しかなかったですが、cramtoyの職場である汐留には天下の電通が入っていることもあり、汐留近辺の書店ではのきなみ、広告・メディア関係の書籍が幅を利かせています。
「あたらしい教科書」シリーズでは、コンピュータとか面白い試みだな、と思ってましたが実際に購入したのはそんなわけで広告の巻となりました。広告の仕組みも、広告の業界で働く人たちの仕事ってのもよくわからんしね。
ちょっと前に伊東 美咲が広告代理店で働くドラマがありましたが・・・あんなストーリー仕立てでクリエイティブなプレゼンって・・・広告業界だからできるプレゼンなのかなあ。
広告の世界でも、クリエイティブには金を出すが、製作管理(フィー)には金を出さない、というクライアントが主流らしい。そもそもフィーとコストという概念は広告業界のものなのかもしれないですね。フィーとコスト、SI業界でもまっとうな料金として請求していかねばなりません。
![]() | あたらしい教科書〈6〉広告 天野 祐吉 (2006/07) プチグラパブリッシング この商品の詳細を見る |
輪違屋 糸里
浅田次郎「輪違屋 糸里(上下)」を読んだ。
新撰組小説傑作コレクション(私的)に堂々のランクインです。
浅田次郎と新撰組、といえば「壬生義士伝」が有名で映画化もされていますが、個人的にはこちらの方を推したい。物語の焦点は芹沢鴨の暗殺事件。芹沢鴨といえば、どちらかというと、悪役なイメージがこれまで強かったですが、こんどの小説では主人公では無いにしても新撰組の物語における重要な役割を演じていたことが再認識されます。
壬生義士伝で朝だ次郎がとった、登場人物に語らせる、という手法(解説によると子母澤寛へのオーマージュではとあるが)は今作でも見事。壬生義士伝では主人公の津軽弁(だっけ?)が正直言って良くわからなかったけど、今作では土方、沖田、永倉といった江戸っ子が語ってますので、無理無く引き込まれることでしょう。
新撰組小説傑作コレクション(私的)に堂々のランクインです。
浅田次郎と新撰組、といえば「壬生義士伝」が有名で映画化もされていますが、個人的にはこちらの方を推したい。物語の焦点は芹沢鴨の暗殺事件。芹沢鴨といえば、どちらかというと、悪役なイメージがこれまで強かったですが、こんどの小説では主人公では無いにしても新撰組の物語における重要な役割を演じていたことが再認識されます。
壬生義士伝で朝だ次郎がとった、登場人物に語らせる、という手法(解説によると子母澤寛へのオーマージュではとあるが)は今作でも見事。壬生義士伝では主人公の津軽弁(だっけ?)が正直言って良くわからなかったけど、今作では土方、沖田、永倉といった江戸っ子が語ってますので、無理無く引き込まれることでしょう。
![]() | 輪違屋糸里 上 (1) 浅田 次郎 (2007/03) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |
![]() | 輪違屋糸里 下 (3) 浅田 次郎 (2007/03) 文藝春秋 この商品の詳細を見る |
影踏み/横山秀夫
影踏み/横山秀夫
双子の弟と家族を火事で無くした、窃盗を生業とする双子の兄が主人公の推理小説。短編集の体をなしていますが、全体を通して昇華されていく物語となっています。窃盗犯を主人公にした推理小説、特技?の家宅侵入の技を使って、自身とその周囲の人たちに降り掛かる難事件を解決していくという。その手があったか!横山先生!
個々の短編のプロットはさすが横山先生。事件の背景が読めたときには毎回「うーん、なるほど!」とうなってしまいました。推理小説としては楽しめます。双子の弟(火事で亡くなっている)の魂が浄化されていくくだりは、他の横山作品にはない、ちょっとファンタジーチックなおもむきです。
双子の弟と家族を火事で無くした、窃盗を生業とする双子の兄が主人公の推理小説。短編集の体をなしていますが、全体を通して昇華されていく物語となっています。窃盗犯を主人公にした推理小説、特技?の家宅侵入の技を使って、自身とその周囲の人たちに降り掛かる難事件を解決していくという。その手があったか!横山先生!
個々の短編のプロットはさすが横山先生。事件の背景が読めたときには毎回「うーん、なるほど!」とうなってしまいました。推理小説としては楽しめます。双子の弟(火事で亡くなっている)の魂が浄化されていくくだりは、他の横山作品にはない、ちょっとファンタジーチックなおもむきです。
![]() | 影踏み 横山 秀夫 (2007/02) 祥伝社 この商品の詳細を見る |







